
「施設長、私夜勤無理です。不安でしかたがないんですよね。なんとか解決する方法ないですかね・・・」
「なるほど、夜勤に不安を感じて精神的にストレスを抱えているようですね。どうして夜勤に不安を感じるか、改めて整理し、対策を考えて見ましょうか」

こんな悩みを解決します。
この記事の内容
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介護施設での夜勤が怖いと感じる理由と、その対策について書いています
こんにちは、せいじです。
介護の仕事を20年以上しており、特別養護老人ホームで6年ほど介護職をしていました。
現在は介護の研修の講師やコンサルタントの仕事をしています。
さて、介護の施設で仕事をすると夜勤があります。
夜勤は、夕方から出勤して翌朝まで働く、という形になります。
日中の勤務とはちがい、夜間は働く職員が極端に少なく特殊な環境となります。
看護師がいない施設もあるため、介護職は利用者の介護だけではなく、緊急時として医療的な対応が求められることもあります。
それだけ、負担が大きくなるんですね。
というわけで、今回は、介護職の夜勤が怖いと感じる理由と対策について解説します。
介護職の夜勤が怖いと感じる理由

では、介護職の夜勤が怖いと感じる理由について見ていきましょう。
まとめると、次のようになります。
介護職の夜勤が怖い理由
- 暗闇の中で業務をする必要がある
- 利用者の緊急時の対応がある
- 職員の数が少なく心細い
それぞれ掘り下げていきます。
暗闇の中で業務をする必要がある
夜勤は、利用者が寝ている中で業務を行います。
日中のように施設に明かりがついていません。
利用者の居室はもちろん、食堂やリビングといった共有スペースや廊下の明かりも極力落としている中で仕事をするんですね。
つまり、暗闇の中で業務を行う形になります。
ですから、暗い環境が苦手な人にとっては、恐怖感を感じるでしょう。
利用者の緊急事の対応がある
夜間中は、看護師がいない施設も多いです。
なので、利用者の急な体調の変化や、転倒などによって大きな怪我をした場合に、看護師に任せることができないわけです。
夜勤中になんらかの対応が必要になる場合は、介護職が電話などで看護師の指示を受け対応をする場合があります。
時には利用者が廊下で転倒して大量に出血したり、心肺停止の状態に対応しなければなりません。
対応次第では、命にかかわる状況になるんですね。
そのようなことが起こる可能性があると考えると、夜勤は怖くなりますね。
職員の数が少なく心細い
夜間中は看護師もですが、介護職も少なくなります。
施設によっては一人っきりで夜勤をするところもあります。
緊急事態が起こる可能性がある中で、頼れる人がいないという環境は、とても怖いものと感じる人が多いでしょう。
夜勤への恐怖心によって起こるデメリット


「ほんと、いつも緊急事態が発生しないか心配で心配で。仮眠なんてとても取る気になれません・・・」
「それだけ夜勤に対して恐怖心を感じていたら、精神的にかなりのストレスになっているのでは?」

恐怖は普通に仕事をするよりも、いろいろなデメリットを発生させます。
ここではそのデメリットについて見ていきましょう。
まとめると、次のようになります。
恐怖がもたらすデメリット
- 心身の疲れが増加する
- 仕事に強いストレスを感じるようになる
- 不眠症になるリスクが高くなる
掘り下げていきます。
心身の疲れが増加する
恐怖を感じながら仕事をしていると、そうでないときよりもずっと疲れを感じるようになります。
精神的な緊張を生むからです。
精神的な緊張は、身体的な疲れを増加させます。
なぜなら、心と身体は影響を与え合っているからです。
ですから、実際の業務量は昼間の方が多くても、夜勤の仕事の方が疲れを感じやすいということになる場合があります。
仕事に強いストレスを感じるようになる
恐怖心が強くなりすぎると、夜勤の仕事が嫌になってくる人もいるでしょう。
そうなると、仕事に行くこと事態がストレスになって、さらに精神的な負担が大きくなるかもしれません。
人によっては退職の理由になることもあります。
不眠症になる
夜間中に気を張って仕事をしていると、夜勤じゃない時でも夜に眠れなくなることがあります。
それが続くと不眠症になり、ますます精神的、身体的に負担が高まっていく可能性があります。
夜勤の恐怖感への対策方法


「このままやってたら、私倒れそうです・・・」
「いよいよここからは対策について見ていきましょう。夜勤の負担ができるだけ軽減するような方法を提案していくので、ちょっと考えてみてください」

夜勤の恐怖への対策
- 急返事の対応を徹底的に把握する
- 日中の急変時の対応に積極的に関わる
- 夜勤をしなくていい環境で働く
- 夜勤人数の多い施設を選ぶ
- 介護老人保健施設で働く
それぞれ掘り下げていきます。
急変時の対応を徹底的に把握する
夜勤の恐怖で一番大きなものとして、利用者の急な体調のへの対応、という人が多いのではないでしょうか。
万が一利用者さんになにか起こったら適切に対応できるだろうか、という不安が恐怖感につながりますよね。
その恐怖感を減らすためには、「知っておく」ということがポイントになります。
どのように対応したらいいか、ということがわかっていれば、恐怖心を減らすことができるからです。
施設には、必ず緊急時対応マニュアルが用意されています。
そのマニュアルをしっかりと読み込み、把握するようにしましょう。
また、他の職員から緊急時対応の経験を聞き、シミュレーションをしておきましょう。
日中の急変時の対応に積極的にかかわる
マニュアルの把握やシミュレーションよりも、さらに恐怖心を減らすことができる方法としては、実際に緊急時にかかわることです。
「百聞は一見にしかず」という言葉があるように、実体験をすることで得られるものが多いからです。
なので、日中に利用者さんの急変があった場合、積極的にかかわるようにしてください。
日中の緊急時は、基本的には看護師が対応しますが、介護職も看護師のフォローでいろいろと動く場面があります。
そこでかかわって経験しておくことで、看護師の対応を見ることができ、いざ自分が対応しなければいけない場合の恐怖心をグッと減らすことができます。
夜勤をしなくていい環境で働く
マニュアルの把握や経験値などで恐怖心を解消することがむずかしいようなら、夜勤のない環境で働くことも選択肢のひとつです。
夜勤がなければ、恐怖心を持つこともなくなりますからね。
ただし、夜勤のない介護のサービスや、夜勤があってもしない形で働くとなると、その分収入は少なくなります。
夜勤手当がつかなくなるからです。
夜勤手当の額は施設の形態や法人によりますが、1回につき5000円〜1万円ぐらいにはなります。
通常、月に4回程度夜勤をすることを考えると、単純計算で2〜4万円の減収となります。これはかなり大きいですよね。
夜勤人数の多い施設を選ぶ
どうしても夜勤をしないと収入面で困るというのであれば、解決策のひとつなるのが夜勤人数の多い施設を選ぶことでしょう。
誰かがいてくれると思うだけで、ひとりで夜勤をするよりもずっと精神的な負担が少なくなるはずです。
たとえば、グループホームでは、1ユニットに1人で夜勤をします。つまり、1つのスペースで夜勤をするのは1人の介護職だけです。
しかし、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの大きな施設では、複数で夜勤を行います。
1フロアの利用者数が多いので、実務での負担は変わらないかもしれませんが、1人で夜勤をするよりは精神的にずっと楽になるでしょう。
介護老人保健施設で働く
また、介護老人保健施設での夜勤なら看護師がいます。
医療的な処置が必要になった場合、すぐに看護師が対応してくれる環境で夜勤をすることで、より精神的な恐怖を軽減することができるでしょう。
介護職の夜勤が怖いと感じる理由と恐怖への対策方法:まとめ

「そっか、こうなったらどうしよう・・・って思うから、恐怖心が大きくなるんですね!緊急時にどう対応したらいいのかがわかっていたり、他の職員もいるからって思うと、恐怖心を減らすことができますね」
「そうですね。夜勤への恐怖心ってのは、まだ起きてもいないことを自分が勝手に作り出しているものですからね。想定するのはいいんですが、そこに具体策を講じないと意味がなくなってしまいます。ぜひ、少しでも楽な気持ちで夜勤ができるようになってください」

介護職の夜勤が怖いと感じる理由と恐怖への対策について書きました。
この記事をまとめます。
夜勤が怖い理由と対策
- 暗闇の中で業務をする必要がある
- 利用者の緊急時の対応がある
- 職員の数が少なく心細い
- 解決策は、緊急時の対応を徹底して習得する
- 夜勤をしなくていい環境で働く
- 夜勤手当がどうしても必要な人は、夜勤人数が多い施設で働く
ということで、今回はこのへんで終わりにしたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。