
「あの子、介護職に向いているよね、なんて声が聞こえたりするんですけど、介護職に向いている人の特徴ってあったりしますか?」
「個人的にどう思うかは置いといて、向き、不向きはありますよね。たとえば、教えてもらわなくても最初から必要な関わりが自然とできたり、必要な考え方を持てていたりって人はいます。じゃあ具体的にどんなところ?っていうのを今回は見ていきましょう。向いてないかも?と思っている人も、向くようになるためのとっかかりになるといいですね」

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この記事の内容
介護職に向いている人の特徴について書いています
こんにちは、せいじです。
介護業界に20年以上携わり、介護職や施設長、社内の人材育成担当などの経験があります。
現在は介護の研修の講師や、人材育成のコンサルタントの仕事をしています。
さて、介護の仕事は「誰でもできる仕事」と言われたり、逆に「好きじゃないとできない仕事」と言われりと、見方が極端に分かれるところがあります。
実際、介護職に向いている人、向いていない人というのはあるのでしょうか。
結論から言うと、介護職としての向き、不向きはあります。
ただし、向いていないから絶対にダメなのかと言われるとそうではありません。
向いている方が、より介護の仕事に入りやすい、続けやすいというのはあるかもしれませんが、向いていなくても、後々改善していくことも可能ですからね。
とはいえ、向いている方がいいに越したことはありません。
介護職に向いている人の特徴をまとめると、次のようなものがあげられます。
見出しテキスト
- 人とのかかわりが好き
- 人間観察が得意
- 性格が明るく笑顔が多い人
- 気持ちのコントロールや切り替えが得意
- チームワークが得意
- スキルアップへに意欲的
- 高齢者に敬意がある、好き
- 話しを聞くのが好き
というわけで、今回は介護職に向いている人とはどんな人なのか、について見ていきましょう。
介護人材育成のプロから見た介護職に向いている人の特徴とは

では、介護職に向いている人の特徴について見ていきましょう。自分に当てはまるかどうか、確認しながらご覧ください。
人とのかかわりが好き
介護職に向いている人としてまず挙げられるのは、人とかかわることが好きであることです。
なぜなら、介護の仕事はまさに人とかかわる仕事だからです。
そのかかわりの中で、人に元気になってもらったり、自分自身も元気づけてもらえたり、といった、心のやりとりによろこびを感じられる人にとっては、天職と言えるでしょう。
人間観察が得意
介護の仕事は、気づき、気配り、心配りが大切です。利用者が言葉にしていないことを、表情や態度、しぐさなどから気づき、先回りして対応することが求められるからです。
当然、利用者がどんな人か知らないと、なかなかできません。知るためには、利用者に興味を持ち、注意深く観察する力が必要です。
普段から人間観察が好きで得意な人であれば、自然と利用者のことを知ろうという思いを持つことができ、表情、態度、しぐさから情報をキャッチすることができるでしょう。
性格が明るく笑顔が多い人
介護職は利用者を元気にする役割があります。
介護職が元気じゃないと、支援される利用者も元気になりません。
ですから、性格が明るい人が向いているんですね。
そして、笑顔として表現できることも大切です。
笑顔は周りを明るくする効果があるからです。
また、認知症の方は、言葉よりも表情の情報をキャッチしやすいとされています。
明るい表情や笑顔でかかわることで、認知症の方も安心できたり、元気になれたりするわけです。
気持ちのコントロールや切り替えが得意
介護の仕事をするにあたっては、気持ちをコントロールすることも重要です。
気持ちの浮き沈みがあると、大切な気づきが持てなくなったり、笑顔を出すことができなくなるからです。
気持ちを一定に保つ精神力が必要になるんですね。
そして、仕事が終わったら切り替えて、ストレスを溜めないことが大切ですね。
そうしないと、精神的に疲れてしまうからです。
つまり、介護の仕事を長く続けていくためには、精神的なメンテナンスが不可欠になります。
チームワークが得意
介護はチームでやる仕事です。
メンバーが協力し合って利用者の生活を支援していくんですね。
ですから、みんなで一つの方向を目指して仕事をしていくのが好きな人には向いています。
チームには、介護職以外の専門職もいます。
介護職にはない知識や技術に触れる機会を持つことができます。
そのような機会を楽しめる人が向いているでしょう。
なお、一つの方向を目指して仕事をしていくというのは、具体的には介護の目的である自立支援をするために必要だからです。
詳しくは、介護の定義や介護と介助の違いとは?をご覧ください。
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スキルアップに意欲的
介護の仕事は、資格によってステップアップしていくことができます。
ですから、自分の能力を高める意欲、つまりスキルアップに意欲的な人には向いていると言えるでしょう。
給料の安い仕事と言われますが、スキルアップしていくことで待遇も向上します。
日々勉強して上位資格の取得を目指したり、会社内でのステップアップを目指すことができれば、待遇も自ずと改善されていくんですね。
ポイントとしては、学歴はほとんど影響しないということです。
大卒であれ中卒であれ、持ってる資格とスキルが重要視されます。
これは、介護職の魅力の一つと言えるでしょう。
高齢者に敬意を持っている、好きである
高齢者に敬意を持っていることも、介護職に向いている要素になります。敬意の有無が、介護の内容に影響するからです。
高齢者は、介護職よりも長く生きてこられた人生の先輩です。敬う気持ちを持つことで、接遇や支援の内容が向上するんですね。
人の話しを聞くのが得意
介護職はコミュニケーション能力が求められます。
コミュニケーション能力の良し悪しの大きな要因となるのが、聴く力です。
話し上手は聞き上手と言いますものね。
ですから、人の話しを聞くのが好きな人には、介護の仕事が向いています。
もちろん、介護職はただ聞いていればいい仕事ではありません。
専門職として「聴く」ためには、プラスアルファの能力が必要になります。
それでも元々聞くことが好きな人の方が向いているでしょう。
介護職に向いていない人はどんな人?


「向いている人の特徴は、言い換えると介護職に必要な要素とも言えますよね。逆に、向いていない人ってどんな人なんでしょう?」
「単純にいうと、向いている人の逆になるわけですが、それ以外の、根本的なところで向いていないという要素について見ていきましょう」

ここからは、逆に介護職に向いていない人について見ていきましょう。
自分主体で仕事がしたいタイプ
自分主体で仕事をしたい人は、介護職に向いていません。
なぜなら、介護の仕事は利用者主体で仕事をしなければならないからです。
介護の仕事は、利用者の生活を支援する仕事です。
生活の主体は利用者なので、利用者のペース、習慣に合わせて支援する必要があります。
ですから、人に合わせて支援する仕事がストレスに感じる人には向きません。
短気、せっかち
短気でせっかちな人も介護職には向きません。
前述したように、利用者のペースに合わせて仕事をしなければならないからです。
介護の目的は、自立支援です。
日常生活の中で、できることは自分でしていただき、できないところを支援する役割となります。
歳をとると、身体能力が低下し、行動が遅くなります。
短気な人やせっかちな人は、利用者が自分でするのを待てずに、つい手を出してしまいます。
そのほうが早く済むからですね。
待つことに大きなストレスを感じる人は、介護職に向かないですね。
潔癖症
介護職は潔癖な人には向いていません。なぜなら、介護の仕事は排泄介助などの支援をしなければならないからです。
一般的には汚物と呼ばれるものを扱わないといけないわけですね。
ですから、そのような行為に抵抗がある人は、介護職には向かないでしょう。
介護人材育成のプロから見た介護職に向いている人の特徴とは:まとめ

「向いている人の特徴を参考にして、良い介護職になれるようにがんばっていきたいと思います!」
「はい、介護職を楽しんでくださいね!」

この記事のまとめ
- 介護職には向き、不向きがある
- 向いている方が、仕事をやりやすい
- 向いてなくても、必要な考え方を取得することで仕事はできる
- むしろ、介護は自分になかったところを育ててくれる効果もある
ということで、今回はこのへんで終わりにしたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。