
「介護職って、ストレスの溜まりやすい仕事って言われていますよね。なにがストレスの原因になるんでしょう?そして、ストレス対策としてどんな方法が有効ですか?」
「介護職は、肉体的にきつい仕事と言われますよね。でも、それ以上にきついのが精神面です。介護は、精神労働の割合が大きいからです。つまり、精神的にコントロールしながら仕事をしなければならないので、ストレスがたまりやすいんですね。ですから、ストレスマネジメントが重要になってきます。詳しく見ていきましょう」

こんな悩みを解決します
この記事の内容
介護職はストレスマネジメントが重要である理由と、その方法について書いています
こんにちは、せいじです。
介護の仕事を20年以上しており、現在は介護の研修の講師やコンサルタントの仕事をしています。
さて、介護職は大きなストレスがかかる仕事だと言われています。
労働は、どんな仕事でも肉体労働、精神労働、頭脳労働の3つに分けることができます。
その中で、介護は精神労働に分類されます。
なぜなら、常に精神をコントロールして、冷静に客観的に利用者と関わる必要があるからです。
常に冷静に、と想像するだけでストレスが溜まりやすいのがわかると思います。
ストレスをうまくマネジメントしていくためには、愚痴を聞いてもらえる環境を作ったり、休みは完全に仕事から離れる、そして自然の多いところで過ごす、といった対処方法があります。
そもそものストレスを軽減していく方法としては、他の仕事と比べないようにするとか、先の目標を持って、それに向かって頑張る、といったことも有効です。
というわけで、今回は介護職のストレスマネジメントについて解説します。
介護職はストレスマネジメントが超重要!その理由とは?

では、まずは介護職にストレスマネジメントが重要である理由について見ていきましょう。まとめると、次のようになります。
ストレスマネジメントの重要性
- 介護の仕事は精神的な負担が大きい仕事
- 実際に精神的な健康を損なう人が多い
掘り下げていきます。
介護の仕事は精神的な負担が大きい仕事
介護の仕事は精神的な負担が大きい仕事です。
なぜなら、対人援助の仕事だからです。
対人援助の仕事だと、どうして精神的な負担が大きくなるのでしょうか。
それは、自分と価値観のちがう人にも、支援を行うためにその人をありのまま受け入れなければならないからです。
いわゆる受容するということが必要になるからなんですね。
受容するにあたっては、自分の考えを横に置いて相手と関わらなければなりません。
自分の考えを横に置いておくというのはなかなか難しく、実際には自分の考えをグッと我慢して、相手の考えに沿わなければならないといったことが起こります。
これってストレスがかかることは、容易に想像がつくのではないでしょうか。
さらに、認知症の方の対応では、実際に起こっていないことや、非現実的と思われるお話しに対して介護職は寄り添わなければなりません。
心の中でちがうなと感じながらも、認知症の方を否定することなく接しないといけないのです。
ですから、どうしてもストレスが溜まりやすくなるんですね。
実際に精神的な健康を損なう人が多い
実際に、介護職が精神的な健康を損なうケースは多くあります。
それは、精神的な疾患による労災の申請件数が、医療、介護業界がトップになっていることからもわかります。
身体的な病気や怪我と同様、精神的な健康を害することでも、介護の仕事をすることはできなくなります。
ですから、介護の仕事を長く続けていこうと思ったら、ストレスといかにうまく付き合い、心の健康を保っていくかが重要になってくるんですね。
介護職はストレスマネジメントが超重要!その方法とは


「精神力が求められる仕事なんですねぇ・・・。私できるかなぁ。ストレスでつぶれてしまいそう。」
「つぶれてしまわないように、日々ストレスマネジメントしていきましょう!ここからは、その方法について見ていきますね」

ここからは、介護職を健康的に長く続けていくために必要なストレスマネジメントについて見ていきましょう。
まとめると、次のようになります。
見出しテキスト
- 人に愚痴を聞いてもらえる環境を作る
- 休みの日は仕事を完全に忘れる
- 自然の中で心を癒す
- 他の仕事と比較しない
- 先の目標に意識を向ける
それぞれ掘り下げていきます。
人に愚痴を聞いてもらえる環境を作る
ストレスを溜め込まないようにするための有効な方法として、人に愚痴を聞いてもらうということがあげられます。
吐き出さずに耐えていると、心がもたなくなるからです。
自分のことをわかってくれる友人や同僚に、思いの丈を話せるようにしておきましょう。
外に出すことができれば精神的な負担が軽減され、前向きな解決策を見つけることができる場合があります。
もし、人に聞いてもらえる環境がないのであれば、ノートに思いのまま感情を書き出すことでも、ストレスを軽減することができます。
なぜなら、書き出すことで自分の外に出すことができるからです。
つまり、溜め込まないようにすることが重要なんですね。
休みの日は仕事を完全に忘れる
また、休みの日は仕事のことを考えないようにしてください。休みの日にまでストレスを持ち込んでしまうと、心が休まる時間をとることができなくなるからです。
人はどうしても悩みがあると、いつまでも心の中で考えてしまいがちです。しかし、メリハリをつけないと心が蝕まれてしまうことになります。
ですから、休みのはキッパリと仕事を忘れるようにしてください。
そうするためにも、前述したように愚痴を聞いてもらったり、書き出したりして自分の外に悩みなどを出すことが重要になります。
立場によっては、休みの日に仕事の連絡が入ってくるため、仕事を完全に切り離すことができない、という人もいるかもしれません。
その場合は、極力連絡を避けることができるように、他のスタッフに役割を振っておきましょう。そして、よっぽどの重大な問題がない限り、自分に連絡が入らないようにしましょう。
つい、立場を考えて、自分には休みも仕事を完全に切り離すことはできない、と思ってしまいがちですが、そんなことはありません。
仮にリーダーの立場であっても、スタッフだけで解決できる問題まで背負ってしまっては、心身ともに持ちません。
出勤者の中で代役を立て、自分の代わりに動けるような組織を作るようにしてください。そうすることで、代役を担うスタッフの成長にもつながります。
決して、自分がリーダー業務を放棄しているだとか、押し付けてるなんて思わないことです。
自然の中で心を癒す
仕事を切り離して休みが取れれば、時には自然の中に身を置いて心を癒すようにしてください。自然の中にいると、リフレッシュ効果やストレスを軽減する効果が得られるからです。
そうして心を回復させて、仕事に臨むようにしてください。
他の仕事と比較しない
時には、他の仕事と介護職を比べて、他の仕事を羨んでしまうことがあるかもしれません。また、同業者であっても、自分の職場と比較して、相手の職場が良いように映るかもしれません。
しかし、それはまったく意味がありませんし、余計に自分のストレスを高めてしまうことになります。
対比するのであれば、比べて自分を不幸にするのではなく、相手の良いところを取り入れるなどして、自分の職場をよくする努力をしましょう。
先の目標に意識を向ける
目先の事柄にストレスを感じているのであれば、自分はなぜその職場で仕事を続けるのか、その意味を考えるといいでしょう。
意味をしっかりと見出すことができれば、主体的に仕事に取り組むことができ、ストレスを軽減できるからです。
目指すものがあれば、目先のストレスが意味のあるものになり、あまり気にならなくなるんですね。
目標がないという人は、まずは自分が介護の業界でどのようになっていきたいのか、目標を立てることからはじめてもいいでしょう。
間違いなくストレスを軽減できたり、耐える力がつくはずです。
介護職はストレスマネジメントが超重要!理由やその方法とは:まとめ

「なるほど。参考にしてストレスを軽減したり、解消できるようにしていきますね!」
「退職者がいる一方で、長く続けておられる方もたくさんいらっしゃいますからえ。うまく管理していってくださいね」

この記事のまとめ
- 介護の仕事は精神的に負担が大きく、メンタルヘルスが損なわれる人が多い
- ストレスマネジメントとしては、吐き出すことが大切
- また、仕事から完全に離れて、自然の中で過ごすといった気分転換が重要
- 隣の芝生は青く見える、といったところで、他の仕事と比べるとストレスになりやすい
- 目先ではなく、少し離れたところに目標を持つことで、目の前のストレスを軽減することができる
ということで、今回はこのへんで終わりにしたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。