
「訪問介護で働こうと思っているんですけど、必要な資格はありますか?また、どうやったら取得できますか?」
「訪問介護員としてフルで働くためには、最低でも初任者研修の資格を取得する必要があります。その他の資格や、取得方法も含めて説明しますね」

こんな疑問を解決します
この記事の内容
訪問介護で訪問介護員(ヘルパー)として働くために必要な資格と、取得方法について書いています
こんにちは、せいじです。
介護業界に20年以上携わり、現在はコンサルタントとして訪問介護の運営などの支援をしています。
さて、介護保険には、自宅で生活する高齢者を支援するサービスとして、訪問介護があります。
訪問介護で訪問介護員として働くためには、初任者研修や実務者研修、介護福祉士といった資格が必要になります。
というわけで、今回は訪問介護で仕事をするために必要な資格と、取得方法について解説します。
訪問介護は無資格ではできない!必要な資格について解説します

訪問介護の仕事は、利用者の身体に直接触れてサービスを提供する「身体介護」と、日常生活に必要な家事の支援をする「生活援助」があります。
資格によって、両方できるものと、生活援助のみしかできないものがあります。
まとめると、次のようになります。
資格 | 実施できるサービス |
---|---|
生活援助従事者研修 | 生活援助のみ |
介護職員初任者研修 (旧ヘルパー2級) | 身体介護 生活援助 |
介護福祉士実務者研修 (旧ヘルパー1級) (旧介護職員基礎研修) | 身体介護 生活援助 |
介護福祉士 | 身体介護 生活援助 |
無資格 | 不可 |
訪問介護の仕事をしようと思ったら、最低でも生活援助従事者研修を修了しなければなりません。
そして、身体介護、生活援助、両方の業務をするためには、初任者研修以上が必要ということになります。
なお、()書きしている、ヘルパー1級、2級、介護職員基礎研修については2012年度に廃止され、ヘルパー2級は初任者研修に、そしてヘルパー1級と介護職員基礎研修については介護福祉士実務者研修に変更となっています。
ですから、これから取得することはできません。
訪問介護員に必要な資格の取得方法について


「訪問介護員として働くための必要な資格についてはわかりました。取得方法も知りたいなぁ」
「自分で調べてください!って言いたいところですが、わかりました。それぞれの資格を取得する方法について見ていきましょう」

生活援助従事者研修
生活援助従事者研修は、通信、通学で組まれた59時間の講座を受講することで取得することができます。
59時間のうち、29時間は通信学習になっているため、通学での対面授業は30時間、約6日程度となります。
研修は、自治体や資格の学校で実施されており、費用は3,000円〜30,000円ほどです。
取得しやすいメリットがある一方で、「生活援助」のみしか実施できないというデメリットがあります。
とはいえ、初任者研修と比べて半分ぐらいの時間で取得できるため、訪問介護の仕事を手軽にはじめることができます。
まずは生活援助を経験し、本格的にできそうなら初任者研修を受講する、という流れでもいいでしょう。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、通信、通学で組まれた130時間の講座を受講し、修了試験に合格することで取得できます。
全国にある資格の学校で実施されており、スクーリングは約15日間、修了までの期間は最短で1ヶ月半ほどになります。
費用は学校によってかなり幅があります。
おおよその相場としては、4〜8万円ほどです。
資格の学校の事業所に就職する前提で、実質0円で取得できる制度を設けているところもあります。
介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修も、初任者研修と同じく、通信、通学で組まれており、450時間の講座を受講することで取得できます。
こちらも、全国にある資格の学校で実施されており、通学での対面講義は、医療的ケアの演習も含めて約8日間です。
修了までの期間は保持資格によって異なり、無資格であれば半年、介護職員基礎研修初任者研修を修了している人であれば、4ヶ月ほどで取得可能です。
受講料についても、保持資格によって料金が変わります。
そのため、3万円台〜10万円以上まで、幅広くなっています。
介護福祉士
介護福祉士は、毎年1回行われる介護福祉士試験を受験し、合格することで取得できます。
受験するためには、受験資格を満たす必要がありますが、次の4つのルートが設けられています。
介護福祉士取得ルート
- 養成施設ルート:介護福祉士の専門学校などに通うことで取得
- 実務経験ルート:介護職として実務を経験することで取得
- 福祉系高校ルート:福祉系の高校に通うことで取得
- 経済連携協定ルート(EPA):EPAで来日している外国人の取得ルート
もっとも多いのは、介護職として働きながら受験資格の要件を満すことができる、実務経験ルートです。
詳しい要件については、次の記事をご覧ください。
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介護福祉士の試験を受けるための実務経験ルートの詳細とは?
こんな疑問を解決します こんにちは、せいじです。介護業界に20年以上従事し、現在は講師として複数の学校で介護福祉士試験の対策講座などを担当しています。 さて、介護福祉士を取得するにあたっては、4つのル ...
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訪問介護は無資格ではできない!必要な資格について解説します:まとめ

「訪問介護員として働くために、必要な資格についてよくわかりました。まずは初任者研修を取得します!」
「訪問介護員として仕事をするためには、訪問介護がどんな仕事なのかも改めて知っておく必要がありますね。詳細については下の記事をご覧いただき、訪問介護員として働くために備えてくださいね」

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訪問介護ってどんな仕事?仕事内容などについて解説します
こんな疑問を解決します こんにちは、せいじです。 介護業界に20年以上携わり、以前は訪問介護の管理者をしていたことがあります。また、現在は、訪問介護の運営に関するコンサルタントとしても活動しています。 ...
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この記事のまとめ
- 訪問介護員として働くことができる主な資格は、初任者研修、実務者研修、介護福祉士
- 生活援助従事者研修でも訪問介護員になれるが、生活援助に限定される
- 無資格で働くことはできない
ということで、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。