介護の知識・技術

介護職は採用されやすい!すぐに内定が出ても焦ってはいけない理由

スタッフ

「やった!面接行ったら、明日から来てくれてって言ってもらった!これで介護職として仕事ができる!」

「内定おめでとうございます。ところで、面接の予定はその一件だけですか?」

施設長
スタッフ

「えっ?いや、他にも2件ほど申し込んでますけど、採用もらったから、もう他は受けなくていいかなって思っています」

「すぐに決めなくてもいいと思いますよ?他のところも見て決めてはいかがですか?その方が納得して介護の仕事を始められると思いますよ?」

施設長
スタッフ

「え、あ、そうですかね・・・」

こんな疑問を解決します

この記事の内容

介護職が採用されやすい理由と、採用をもらったときの注意点について書いています

介護職をしようと思っている人「介護職は採用されやすいって聞いた。だから、介護の仕事をしようと思うんだけれど、面接に行ったらどれぐらいで採用がもらえるのかな?また、面接時や採用をもらったときの注意点はある?」

こんにちは、せいじです。

介護業界に20年以上携わり、約400件の採用面接を担当しました。

現在は、施設や事業所運営のコンサルタントとして活動しています。

さて、これから介護の仕事をしようとか、施設、事業所を転職しようと考えている人、いらっしゃいますよね。

募集に応募して採用面接を受け、採用、不採用の返事を待つ、という流れになりますが、たまに面接時に「採用するから明日から来てくれる?」なんて話しをもらうことがあるかもしれません。

つい、その話しに飛びつきたくなるかもしれませんが、そこは焦らずに冷静にいきましょう。

なぜなら、介護業界は慢性的な人不足だからです。

内定をもらったからといって、即決する必要はありません。

自分に合う職場かどうかを見極めた上で、最終的な判断をする方がいいでしょう。

また、即決するには、あなたの魅力もあると思いますが、その一方で施設、事業所の事情が絡んでいる可能性もあります。

というわけで、今回は介護職が採用されやすい理由と、採用をもらっても焦ってはいけない理由について解説します。

介護職は採用されやすい!すぐに内定が出ても焦ってはいけない理由

では、介護職が採用されやすい理由、しかも即日採用が出る理由について見ていきましょう。

理由をまとめると、次のようになります。

即日採用されやすい理由

  • 深刻な人不足に陥っている
  • 採用権限のある人が採用を担当している
  • あなたにそれだけの魅力がある

それぞれ掘り下げていきます。

深刻な人不足に陥っている

介護の事業所や施設は、慢性的に人不足となっています。

全国の介護事業所を対象に行った調査では、約6割の事業所が「人が足りていない」と回答しているんですね。

その中でも、いくつかの施設は、最低限の介護をするのもむずかしいほどの状態になっている場合があります。

そのような施設、事業所では、面接に来た人は即採用、という形になりやすいですね。

採用権限のある人が採用を担当している

即採用ができるシチュエーションは、面接担当者に決裁権がある場合です。

採用を決める権限を持っている人が面接もしている場合、その場で内定を出すことができるんですね。

大きな企業では、一般的に決裁者と面接官が別になっていることが多いです。

そして、面接官が面接後に決裁者に報告し、決裁を仰ぐという流れになります。

この場合は、3日〜1週間、返事待ちの時間ができます。

ですが、介護職はすぐに採用を出さないと、他の事業所に取られてしまう可能性があります。

採用に困っていたり、職員の数に余裕がない場合、採用の決裁を持っている人が面接官をするか、もしくは面接官に決裁権を渡すことがあります。

そして、その場で内定を出し、確保をしようとするのです。

あなたにそれだけの魅力がある

即採用が出る最後の理由は、あなたがそれだけの人材である、ということが考えられます。

面接官は「この人材といっしょに仕事がしたい。ぜひ、うちの会社に欲しい」と思ったら、すぐに採用を出すことがあるんですね。

この理由であれば、面接を受けたものとしては非常にうれしいことですよね。

スタッフ

「うーん、私にそんな魅力あるかなぁ。未経験、無資格だし・・・。てことは、かなりの人不足なのかなぁ・・・」

即日の採用をもらっても焦ってはいけない!

面接を受けて、即採用の返事をもらったとしても、焦って受諾の返事をしてはいけません。

なぜなら、採用された理由によって、その職場で働くべきか、それともやめておくべきかを検討する必要があるからです。

即時採用をもらってもすぐに決めてはいけない理由

前述したように、介護の施設や事業所は、慢性的な人不足になっています。

その中には、深刻な人不足になっている事業所もあります。

普通の人不足であれば、どこの施設でも起こり得ます。

しかし、深刻な人不足の場合は、やめていく原因が職場にあることが考えられます

たとえば、人間関係が非常に悪いとか、ブラック企業であるといったものです。

そのような職場に入ってしまうと、まともに指導をしてもらうことができなかったり、人間関係のいざこざによって、ストレスでボロボロになってしまう可能性があります。

ですから、面接で即採用をもらっても、とりあえず一旦持ち帰るようにしてください。

即採用に対しての返事の仕方

では、即採用に対して返事を待ってもらう場合、どのように伝えたらいいのでしょうか。

下手な返事をすると、もし良い施設だった場合、採用が取り消しになったり、印象が悪くなってしまことが心配ですよね。

大丈夫です。基本的には、返事を待ってもらうことはマイナスになりません

なぜなら、面接官は、複数の事業所で面接を予定していることを前提に考えているからです。

ですから、実際に面接の予定があるかないかは別にして、「他の事業所の面接の予定があるので、お返事を少し待っていただいてもよろしいでしょうか」と伝えてください。

もしそれで面接官の態度が悪くなるようでしたら、その時点でその施設、事業所は避けた方がいいでしょう。

なぜなら、それが面接官の本性であり、その会社の体質だからです。

本当にあなたを評価し、入社してほしいと思っているなら、あなたにマイナスの印象をあたえるような言動はしません。

態度が変わるのは、よっぽど人に困っているか、職員を労働力としか見ていないからです。

どうせ働くなら、職員を大切にしてくれる職場の方がいいですものね。

それ以外にも、良い施設、事業所かどうかを判断するポイントがあります。

それについては、次の章で紹介していきます。

「どこで仕事をするかは、人生においても非常に大きな選択ですよね。それを理解してくれない上層部がいる会社で、安心して働けますか?ってことですよ」

施設長

施設の良し悪しを判断するポイント

ここからは、その施設、事業所に就職するかどうか、良し悪しを判断するポイントについて見ていきましょう。

まとめると、次のようになります。

施設等の良し悪しのポイント

  • 職員の表情や言動
  • 利用者の表情や言動
  • 施設全体の雰囲気

それぞれ掘り下げていきます。

職員の表情や言動

施設、事業所の良し悪しを判断するポイントのひとつ目は、働いている職員の表情です。

表情が曇っているか、それともイキイキして働いているか、表情に出るからです。

険しい表情や、無表情で利用者と接しているようでしたら、その施設はおすすめできません。

また、利用者が見えるところで、必死の形相で動き回っている施設もNGです。

逆に、穏やかな表情で、口調で、利用者に関わっているのであれば、よい施設である可能性が高いです。

利用者の表情や言動

職員の表情とともに、利用者の表情でも施設の良し悪しを判断することができます。

利用者の表情に生気がないようでしたら、やめておいた方がいいですね。

他にも、利用者に落ち着きがなかったり、大きな声をあげていたり、それなのに職員が放置しているようであれば、その施設は避けましょう。

利用者がそうなる原因は、不適切な認知症ケアにあるからです。

あとは、利用者に対する言葉使いが指示的、上から目線の施設はやめておきましょう。

「いい介護をしている施設って、静かで落ち着いた雰囲気が漂っています。職員も利用者さんも、穏やかな表情をしています。逆に、よくない介護をしている施設は、利用者はソワソワ、大声を出したり、歩き回ったり、それに対応するのに職員がバタバタ、わかりやすいですよ」

施設長

施設の雰囲気

最後は、施設全体の雰囲気です。

例えば、見学に行ったときに、施設の印象をどう感じるかが判断のポイントになってきます。

施設、事業所に入ったときに、事務所にいる職員からきちんと挨拶があるかどうか、施設を見学している間、介護職から挨拶があるかどうかがチェックポイントになります。

挨拶をしても返ってこない、目も合わせない、といった施設は、やめておきましょう。

逆に、笑顔で挨拶が返ってくる施設は、施設全体の雰囲気も良く感じるでしょう。

即日採用されやすい人

最後に、即日採用されやすい人について、見ていきましょう。

社会性が高い

面接官の印象が大きくアップするのは、社会性です。

きちんとした挨拶や身だしなみといったところは、面接官の高評価につながります。

特に介護職は、社会性の低い人が多い傾向にあります。

その中で、高い社会性を持っていると、即日採用につながる可能性が高くなりますね。

次のような点を意識すると、ポイントが高くなります。

社会性を高める要素

  • 身だしなみ
  • 挨拶
  • 面接時の姿勢
  • 言葉遣い

服装、髪型などの身だしなみをきちんとしている人は、評価が高くなります。

また、足元のチェックをするところも多いでしょう。

きれいな靴を履いていると、ポイントが高くなります。

逆に、どれだけ衣服や髪型が整っていても、靴が汚れていたり、ボロボロだと、台無しになります。

その他にも、率先して笑顔で挨拶ができる、面接中の座位姿勢がしっかりしている、きちんとした言葉遣いができる、といったことが評価に影響をあたえます。

「基本面接はスーツで行きましょう。実は、介護職の面接にスーツで来ない人が意外に多いのです。ですから、スーツで行った時点で先んじることができます」

施設長

ハキハキと話しができる

また、介護の仕事は明るい人が好まれます。なぜなら、利用者を元気にする仕事だからです。

なので、ハキハキ元気に話しができる人は、印象が良くなります。

組織に属して仕事ができる

他にも、組織の中でチームワークを考えながら仕事ができる人も、評価が高いですね。

施設、事業所がなにを求めているかを理解し、その方向を向いて仕事ができるかどうかが、組織にとって重要になるからです。

我が強い人は、組織への不満を持ちがちですし、人間関係においても摩擦が起こりやすくなります。

我をうまくコントロールして、柔軟に対応できる人が、組織としては欲しい人材になります。

「感情的になりやすい印象があると、チームワークもそうですけど、利用者への虐待も心配になるので、採用を見送ることがあります」

施設長

介護職は採用されやすい!すぐに内定が出ても焦ってはいけない理由:まとめ

スタッフ

「介護職は売り手市場だから、じっくりと見極めて就職を決めた方がいいんですね!」

「施設や事業所は、喉から手が出るほど人材が欲しいでしょうから、あの手この手でなんとか採用しようとします。施設等によっては、実際に就職してみると、面接時の条件とは違っていた、なんて話しもあります。焦らずにしっかりと見極めるようにしてくださいね」

施設長

この記事のまとめ

  • 即日採用は、あなたの魅力以外にも、事業所の事情が絡んでいる場合がある
  • 事情としては、深刻な人不足が考えられる
  • 深刻な人不足の原因は、職場環境に問題がある可能性が考えられる
  • すぐに採用に飛びつかず、見極めることが重要

ということで、今回はこのへんで終わりにしたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

  • この記事を書いた人

せいじ

介護のやりがい・魅力、介護職の困りごと解決、その他介護を含む福祉に関することがらについて発信しています。【経歴】大学卒▶︎アパレル関係▶︎介護職▶︎ケアマネ▶︎施設長(老人ホーム)介護業界20年【現在】2019年独立/介護関連の講師・介護コンサルタント・居宅介護支援事業所運営

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