介護福祉士試験対策

介護福祉士試験に合格するための勉強方法やコツ、必要な時間を解説

2022年7月25日

スタッフ

「介護福祉士の試験を受けようと思うんですけど、受けるからには合格したい!でも、試験勉強なんて学生の時以来してないし、そもそも勉強が苦手だったから自信がないんですよね。介護福祉士の試験に合格するための勉強方法やコツなんかがあれば知りたいんですけど」

「社会人になると、試験勉強をする機会ってそうそうありませんものね。戸惑うのも無理はないですよ。でも安心してください。介護福祉士に合格するための勉強方法を伝授しますね!」

施設長
こんな疑問を解決します

この記事の内容

介護福祉士の試験に合格するための勉強方法やコツ、必要な勉強時間について書いています

こんにちは、せいじです。介護業界に20年以上携わっており、現在は独立して介護の講師やコンサルタントの仕事をしています。介護福祉士試験対策講座も複数の学校で担当しています。

さて、介護福祉士試験を受験する方で、どうやって勉強したらいいのかわからないと困っている人も少なくないでしょう。社会人になると、試験を受ける機会なんてほとんどありませんからね。

ただ、大学の受験勉強と同じように、介護福祉士試験についても勉強方法があります。しっかりとコツをおさえて勉強していけば、合格する可能性が格段に上がりますよ。

というわけで、今回は介護福祉士試験の勉強方法、合格するためのコツ、必要な勉強時間について解説します。

介護福祉士国家試験の概要

では、勉強方法をおさえる前に、介護福祉士試験の概要について確認しておきましょう。

介護福祉士の試験を受けるには4つのルートがあります。

介護福祉士取得ルート

  • 養成施設ルート:介護福祉士の専門学校などに通うことで取得
  • 実務経験ルート:介護職として実務を経験することで取得
  • 福祉系高校ルート:福祉系の高校に通うことで取得
  • 経済連携協定ルート(EPA):EPAで来日している外国人の取得ルート

このうち、圧倒的に受験者が多いのが「実務経験ルート」です。

さて、気になる受験者の数や合格率ですが、直近過去5年間の受験者数は8〜9万人となっています。そして、以前は40〜50%台だった合格率ですが、ここ5年間ではほぼ毎年70%を超えています。少しハードルが下がっている印象ですね。

介護福祉士の試験は13科目11科目群からなり、全部で125問、そのうち約60%の得点により合格となります。ただし、11科目群の中で1科目群でも0点があれば、全体の点数が合格基準をクリアしていても不合格です。

科目と科目群を確認しておきましょう

科目名科目群出題数
1.人間の尊厳と自立12問
2.人間関係とコミュニケーション22問
3.社会の理解312問
4.介護の基本110問
5.コミュニケーション技術28問
6.生活支援技術426問
7.介護過程58問
8.発達と老化の理解68問
9.認知症の理解710問
10.障害の理解810問
11.こころとからだのしくみ912問
12.医療的ケア105問
13.総合問題1112問

表の説明をしておくと「科目群」の欄に同じ数字が入っている科目は、1つの科目群になるということです。もっとも出題の少ない科目群は「12.医療的ケア」の5問です。それ以外の科目群は、最低でも8問は出題されます。

ときどき

「科目によっては2問しか出題されない、2問ともまちがえたら不合格になる」

と勘違いされてる方がおられますが、科目ではなく科目群で1問でも正解すれば足切りはないとご理解ください。

介護福祉士試験対策!合格するにはどんな勉強方法がある?

「介護福祉士試験の概要がわかったところで、いよいよ勉強方法ですね!!具体的にどんな勉強方法がありますか?」

「介護福祉士の勉強方法は大きく3つにパターンに分かれます。この中から自分に合った勉強方法を選ぶことが重要ですね。自分に合ったというのは、自分の置かれている環境や性格などです。では、3つのパターンを紹介しましょう!」

施設長

3つの勉強パターン

  • 独学で勉強する
  • 通信講座を受講する
  • スクーリングにて講座を受講する

それぞれの勉強方法にはメリット、デメリットがあります。詳しく見ていきましょう。

独学で勉強する

独学とは、自分自身で勉強するパターンです。

メリット

  • 費用がおさえられる。0円で試験勉強をすることも可能
  • いつでもどこでも勉強できる
  • 自分のペースで勉強できる

独学で勉強するメリットは、費用負担が少ない点です。今の時代であれば、やろうと思えば費用0円でも受験勉強が可能です。なぜなら、インターネットに過去の問題が掲載されていますし、わからないことも検索することができるからです。

ただし、インターネットの情報はまちがっていることもあります

過去問題集は3,000円ほどで手に入ります。最低限過去問題集は購入し、実務者研修テキストで調べるという勉強方法をおすすめします。

その他のメリットとしては、場所を選ばず自由に勉強することができる点です。

デメリット

  • 疑問や悩みを相談できない
  • いっしょに勉強する仲間を作れない
  • モチベーションを維持するのがむずかしい

一方、独学ではわからないところが出てきたときに相談できる相手がいないというデメリットがあります。

インターネットの検索力があれば、ある程度の問題を解決することはできるかもしれませんが、すぐに答えてくれる相手がいるのと比較するとデメリットになりますね。

それに、孤独に勉強していかなければならないため、モチベーションを維持することがむずかしいという問題があります。

強い意志を持って自分に鞭を入れられるかどうかです。

通信講座を受講する

通信講座とは、インターネットを使って自宅にいながら講座を受講するものや、動画配信によるものがあります。どちらか、もしくは両方を組み合わせた講座が提供されています。

メリット

  • 自宅にいながら講座を受講できる
  • チャットやメールなどを使って質問や相談ができる
  • 費用が比較的安くおさえられる

リアルタイムでの講義を受講する場合、自宅にいながらプロの講義を受講できるというメリットがあります。講義中でも質問などが可能になります。

動画を視聴する形のものであれば、自分の都合の良い時間にいつでも勉強することが可能になります。また、質問などもチャットやメールで行えるようになっている講座が多く、困ったときに心強いでしょう。

そして、スクーリングでの講座と比べると、費用が安く済みます。

デメリット

  • リアルタイムの講義はパソコンやタブレット、安定した通信環境での受講が望ましい
  • 動画配信の場合、リアルタイムで質問ができない
  • いっしょに勉強する仲間を作りにくい

デメリットは、リアルタイムでの講座を受講する場合、パソコンやタブレットにて安定した通信環境のもとで受講することが望ましいという点です。

スマホで受講することも不可能ではありませんが、講義であればパソコンやタブレットを使用した方が得られるものは多いでしょう。

つまり、環境が整っていないと、十分な恩恵を受けられないということになります。

動画配信の場合は、チャットやメールで質問できるものの、返事がくるまでにタイムロスが発生することがあります。

また、受講生同士の関係を作るのがむずかしく、モチベーションを維持しにくいという点もデメリットになりますね。

スクーリングにて講座を受講する

最後は、資格の学校などに通って講座を受講する勉強方法です。

メリット

  • プロの講座を対面で受講できる
  • リアルタイムで質問ができる
  • いっしょに勉強する仲間を作りやすい

スクーリング型のメリットは、なんといってもプロの講師と直接顔を合わせて勉強することができるという点です。五感をフルに活用して受講することができるため、頭にも入りやすくなります。

また、その場で質問をすることができるため、質問漏れが起こりにくく、解決できずに悶々と悩んで時間を無駄にすることもありません。

さらに、他の受講生と関係を作りやすく、時には励まし、時には刺激し合いながら勉強できる環境が手に入ることで、大きなモチベーションにつながります。

デメリット

  • 費用がかかる
  • 通学に時間がかかる
  • 日程を確保する必要がある

スクーリング型のデメリットは、なんといっても費用がかかるという点ですね。数万円の費用がかかってくるため、受験費用を含めるとバカにならない額のお金が出ていくことになります。

さらに通学するための交通費や昼食代が必要になってきます。介護職は給料が安いと言われますが、大きな出費と感じる人も少なくないでしょう。

移動はお金だけではなく時間も必要になります。準備なども含めると丸1日つぶれることになります。

介護の仕事をしながら受講する人は、勤務先にシフトを調整してもらう必要がありますね。他のスタッフに協力してもらう必要があるため、気を遣うかもしれません。

ただし、費用に見合うだけの内容、そしてメリットが得られる場合がほとんどですので、どうしても一発で合格したいと思う人はスクーリングでの講座の受講をおすすめします

介護福祉士試験に向けた勉強のコツとは?

スタッフ

「主に3つの勉強方法があるとわかったところで、いずれにしても自己学習は欠かせませんよね。その場合の勉強のコツなんかあったりします?テキストを読んでおけばいいのかしら?」

「独学でも講座を受講する場合でも、自己学習は必要不可欠です。自己学習のコツをまとめておきましょう!」

施設長

自己学習のコツ

  1. 過去問題集を解く
  2. 選択肢の内容をテキストで把握する
  3. 過去問題集を繰り返す
  4. 模擬試験を受ける

過去問題集を解く

介護福祉士試験の勉強方法は、まずは過去問題集を解くことからはじめてください。テキストを読んで覚えようとしても、なかなか頭に入りにくいはずです。

仮に覚えられたとしても、試験問題のような言い回しだと答えが出てこなくなるということもあります。

ですから、過去問題を解いて問題の形になれておくことが重要なんですね。

ただし、過去問題集でどれぐらいの点数が取れるかはさほど重要ではありません。過去問を繰り返し解けば、誰でも答えを覚えて点数を取れるようになります。

過去問を解く目的はあくまでも本番の試験をクリアすることなので、ただ問題を解けるようになるだけでは意味がありません。

選択肢の内容をテキストで把握する

本試験で点数を取るためには、過去問題集を解いたあとの勉強が重要になります。

具体的には、過去問題の設問の正答ではない選択肢に関連する内容を調べて覚えることで、問題を解く力をつけていくのです。

過去に出題された問題が、そのまま別の年の試験に出題される可能性は低いです。なので、前述したように過去問を解けるようになっても、本試験の点数にはつながりません。

しかし、試験の科目に例年同じであり、そこから出題される問題の傾向も限られています。ですから、同じような問題でありながら、問うポイントを変えたり、選択肢や正答の選択肢を変える形で出題される問題がほとんどなのです。

つまり、過去問題の選択肢に関連する内容をしっかりと把握することができれば、問題が変わっても答えられることになります。

過去問題集を繰り返す

過去問題を解き、正答ではない設問を調べ把握することを過去3年分行ったら、その後はひたすら繰り返していきましょう。

ここでも設問に対してどれだけ点数が取れたかだけでなく、正答ではない選択肢に関連することがらを頭で反芻しながら解いていくことが重要です。

1周目は大変な労力がかかり、また問題も解けないのでモチベーションの維持に苦労しますが、続けているうちにスラスラと頭に浮かんでくるようになります。

そうなれば、かなり合格に近づいていると思っていいでしょう。

ちなみに、過去問題を十分以上に繰り返し行った人は、次のステップとして予想問題集に取り組むことで合格の可能性をより一層高めることができます。

模擬試験を受ける

仕上げは、模擬試験の受験です。模擬試験を受けることによって予行演習ができ、落ち着いて本番の試験に臨むことができるからです。

ここでは、結果も重要になります。どの科目が弱いのかを洗い出し、追い込みで重点的に勉強していきましょう。

介護福祉士試験の合格に必要な勉強時間はどれぐらい?

スタッフ

「勉強方法もコツもわかりました。その上でいつから勉強を始めて、どれぐらいの勉強時間を見込んでおけばいいんでしょう。おおよその目安があればわかりやすいのですが・・・」

「個人差があるので一概には言えませんが、どれぐらいの時期から勉強をはじめたらいいのか、そしてだいたいの勉強時間の目安について見ていきましょうか」

施設長

合格するための勉強期間の目安

介護福祉士の勉強をはじめるタイミングですが、あまり早いとモチベーションを維持できない可能性がありますし、短すぎると時間が足りなくなります。

受験日の6ヶ月前からはじめるのがひとつの目安でしょう。そして、遅くても3ヶ月前にははじめるようにしてください。

つまり、介護福祉士試験の合格にに必要な勉強の期間は3ヶ月〜6ヶ月ということになります。

実務者研修を6ヶ月前ぐらいから受講すれば、強制的に自宅学習が発生します。なぜなら、実務者研修の一部は自宅学習になっているからです。

問題集などを解いて、提出することが修了には必要なんですね。

この問題集は、介護福祉士の試験勉強にも役に立ちます。ですから、実務者研修の受講を勉強をスタートさせるきっかけにすることで、スムーズに勉強の習慣をつけられるようになります。

なお、介護福祉士試験の対策講座については、多くのところで試験本番の約3ヶ月前からのスタートになります。講座を活用できれば、独学よりも短時間で合格できる可能性が高い、ということです。

合格するための勉強時間の目安

継続は力なりという言葉がありますが、試験に合格するためには、たとえ短時間でも毎日コツコツと積み上げていくことが大切です。

一気に10時間勉強しても、その後息切れして数日勉強しなかったりすると、せっかく詰め込んだ内容を忘れてしまうからです。

毎日継続して勉強すれば、確実に記憶に定着させていくことができます。

おすすめとしては1日2時間の勉強時間を確保することです。受験日まで継続できれば、まちがいなく合格できるはずです。

介護福祉士試験に合格するための勉強方法やコツ、必要な時間を解説:まとめ

スタッフ

「なるほど、自分に合った勉強方法で、正しくコツをつかんで毎日継続していくことが合格への道なんですね!」

「そういうことですね。介護福祉士の試験は、人より地頭が良くないと合格できない、というほどの試験ではありません。きちんと勉強すれば合格できるレベルです。ですから、毎日継続して勉強するようにしてくださいね」

施設長

この記事のまとめ

  • 独学、通信、スクーリングなどから自分に合った勉強方法を選択する
  • 自己学習は不可欠。過去問題集を繰り返し解き、正答ではな選択肢の内容を把握する
  • 勉強期間は3ヶ月〜半年、1日2時間が目安。継続できれば合格まちがいなし!

なお、どうしても独学で試験を突破したい人については、介護福祉士試験は独学で突破できる!その方法とはをご覧ください。

ということで、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

  • この記事を書いた人

せいじ

介護のやりがい・魅力、介護職の困りごと解決、その他介護を含む福祉に関することがらについて発信しています。【経歴】大学卒▶︎アパレル関係▶︎介護職▶︎ケアマネ▶︎施設長(老人ホーム)介護業界20年【現在】2019年独立/介護関連の講師・介護コンサルタント・居宅介護支援事業所運営

-介護福祉士試験対策