
「無資格、未経験の状態から介護福祉士を取りたいと思っています。これから介護福祉士を取るためには、どうしたらいいんでしょうか?」
「介護福祉士を取得するルートは主に3つあります。その中で自分に合ったルートを選択しましょう」

こんな疑問を解決します
この記事の内容
無資格から介護福祉士を取得する方法について書いています
こんにちは、せいじです。介護業界に20年以上携わり、現在は独立して介護の講師やコンサルタントん仕事をしています。介護福祉士試験対策講座についても、複数の学校から依頼を受けて担当しています。
さて、介護の国家資格として介護福祉士がありますが、無資格から介護福祉士を取得するためにはどうすればいいのか、わからない人もいるかもしれませんん。
国家資格の中には、高校や大学で履修が必要な科目があったり、専門学校に通わないと取得できなかったりするものも少なくありません。ハードルが高くて、あきらめてしまう人もいるでしょう。
その点、介護福祉士は年齢を重ねていても取得しやすい資格です。なぜなら、介護職として働くことで取得要件を満たすことができるからです。
というわけで、今回は無資格から介護福祉士になる方法について解説します。
無資格から介護福祉士を取得する方法とは?

では、無資格から介護福祉士になるための方法について見ていきましょう。
無資格から取得する方法は3つ
日本人が介護福祉士を取得するには、主に3つのルートがあります。その3つとは次の通りです。
介護福祉士取得ルート
- 養成施設ルート:介護福祉士の専門学校などに通うことで取得
- 実務経験ルート:介護職として実務を経験することで取得
- 福祉系高校ルート:福祉系の高校に通うことで取得
一番下の福祉系高校ルートについては、基本的に中学生の進路の時点で決める必要があります。ですから、すでに高校生以上になっている人は、専門学校に通う養成施設ルートか、介護職として働くことで受験資格を取得する実務経験ルートが介護福祉士取得への道になります。
(外国人が介護福祉士を取得するためのEPAルートについては割愛しています)
無資格からは実務経験ルートが近道
養成施設ルートと実務経験ルートのうち、多くの方が選択するのは実務経験ルートです。なぜなら、実務経験ルートの方が年齢や立場に関係なく楽にはじめることができるからです。
養成施設ルートは、専門学校に最低2年通う必要があります。2年間勉強して卒業すれば、実質的に無試験で介護福祉士の資格が取得できるメリットがあるものの授業料がかかります。
そして、学校に通っている間はフルに仕事をすることができないため、経済的な問題も発生します。
一方で実務経験ルートであれば、次のようなメリットがあります。
メリット
- 介護職として給料をもらえるため、経済的な問題が発生しない
- 最初から現場で経験を積むことができる
- 介護が自分に合わないと感じたら、途中でやめることもできる
介護職として働くことで給料をもらいつつ経験値も重ねられますし、3年で介護福祉士試験の受験資格を取得できます。
介護福祉士試験に合格しないと資格が取得できないというデメリットがありますが、介護の仕事が合わないなと思ったら容易に転職できる点も含めると、実務経験ルートの方がハードルが低く、メリットが大きいと感じる人が多いわけですね。
私も、実務経験ルートで介護福祉士を取得しました。専門学校でより深く専門的に勉強するのも決して悪くないのですが、一度社会人として働いてから転職で介護の仕事をする人にとっては、実務経験ルートで取得するのが最優先の選択肢と言えるでしょう。
無資格でも介護職として働ける?
とはいえ、そもそも無資格で介護の仕事に就けるのか、という疑問があるかもしれません。厳密にいうと、現在のところ無資格でも介護職として働くことは制度的には可能です。
2024年4月から、介護職をするためには最低限の資格として認知症介護基礎研修を修了する必要がありますが、それまでは、無資格でもいち介護職として働くことができます。
また、慢性的に介護職が不足している業界としては、人材確保のためにほとんどの事業所や施設で資格取得支援制度が設けられています。
自法人で仕事を続けるのを条件に、初任者研修や実務者研修を受講するための費用を補助してくれる制度です。
この制度を利用すれば、無資格で介護職に就いたあと無料で初任者研修を取得することができ、さらに3年の経験を積んで介護福祉士の受験資格を得ることができるのです。
無資格で介護職をする際の注意点とは


「無資格から介護の仕事をはじめられるってことですけど、でも資格がないときちんと介護ができるか不安です。無資格で仕事をする場合、どんなところに注意が必要ですか?」
「本来、介護職は専門的な知識が必要とされる職種ですから、なにも勉強しないまま介護の仕事をするのは不安も大きいでしょう。無資格で仕事をする際の注意点についておさえておきましょう」

無資格での注意点
- 事故を起こさないために無理をしない
- 先輩スタッフや上司から、介護の基本を勉強する
- 自分でも書籍などから学ぶ姿勢を持つ
事故を起こさないために無理をしない
適切な介護を提供するためには、一定の技術、知識が必要です。いわゆる基本ですね。しかし、無資格、未経験で介護の仕事をする場合は、基本を習得しないまま介護の仕事をすることになります。
基本がないと、利用者を傷つけたり、自分自身の身体が壊れてしまうリスクが高くなります。
ですから、まずは安全確保に意識を強く持ってください。そして、自分を過信せずに、少しでも不安があれば先輩や上司に相談するようにしてください。
誤った介護の仕方をしていると、利用者に有害なだけでなく、自分自身の身体を壊してしまうこともあります。腰や膝を痛めてしまうといったことです。
くれぐれも無理をしないようしましょう。
先輩スタッフや上司から、介護の基本を勉強する
教育体制が整っている施設や事業所であれば、必ず教育係がついて指導を行います。
その指導者から、しっかりと介護の基本を学ぶようにしてください。
介護の基本を習得することができれば、前述したように介護の事故や、自分自身の身体に大きな負担がかかるような状況を避けることができます。
ちなみに、先輩や上司から指導を受ける際は必ずメモを取るようにしてください。
一度聞いたことを確実に吸収できるようにするのと、学ぶ姿勢を相手に伝えるためです。
そして、あとでメモを見返すなどして自分のものにしていきましょう。
自分でも書籍などから学ぶ姿勢を持つ
それに加えて、介護の本などを購入し、介護について自力で勉強するようにしてください。
そうすることで、現場で指導を受けた知識、技術に加えて、さらに成長を加速することができるからです。
勉強した内容は、現場で日々実践を繰り返し習得するようにしてください。
今の時代であれば、YouTubeの動画で無料で介護技術や知識を勉強することができます。
これらも活用しながら、高齢者や自分自身の安全を確保しながら経験を積み重ねてください。
初任者研修の受講は基本の習得にベスト
事業所、施設に資格取得支援の制度があれば、それを利用して早期に初任者研修を受講するといいでしょう。
初任者研修では介護の基本的な知識、技術を習得することができます。
基本を土台としてそこに経験を重ねていくことで、どこでも通用する専門職になることができます。
現場で先輩や上司から学ぶのもいいですが、どうしても限界があるのも現実です。なぜなら、先輩や上司は介護の基本を教える専門家ではないからです。
初任者研修の講師は、介護の基本を教えることを生業としているプロなので、基本の習得には最適な機会になります。
多くの事業所や施設では、採用後に初任者研修の受講を求めます。
仕事をしながら研修を受講するのは負担が大きいかもしれませんが、資格も含めて一生の財産になるのでぜひ受講するようにしてください。
介護の資格なし、無資格から介護福祉士を取得する方法:まとめ

「無資格から介護福祉士になるためのルートや実際の注意点などがわかりました。国家資格の取得を目指して、介護の道に進んでいきたいと思います!」
「国家資格を取得するにあたっては、介護職はハードルが低い資格でしょう。ぜひ頑張ってください。なお、実務経験ルートをもう少し詳しく知りたい場合は、下の記事もご覧くださいね」

この記事のまとめ
- 無資格から介護福祉士を取得する最善のルートは実務経験ルート
- 無資格でも介護の仕事はできるが、基本がないので注意が必要
- ベストは就職後に初任者研修を修了し、そこから経験を積み重ねて介護福祉士取得を目指す
というわけで、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。